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2023.02.18

新参者の辛さ

FunabenkeiJikaiBugIshingo

 今週のハイライトはとにもかくにも二月大歌舞伎の「船弁慶」。中村鷹之資くんの平知盛の亡霊がとにかく唖然呆然とするほど度外れていて、久々に舞台を観てギャーッなんだこれ、これはどうしようどうしようと仰天、嘆息、感服いたしました。たとえではなくて本当に終わってからしばらく席を立てなかった。何が素晴らしいって…なんだろう、まずは飛んでも音ひとつせず水の上をすべるように滑らかで素早い足捌きにハッとなり、くるりと身を翻して低くなった時に小揺ぎもしない体幹の強さとキメのポーズの美しさに目を瞠り、それから目線の送り方になんともいえない妙味を感じたのかな。これまでどうも縁がなくて彼が大きくなってからの舞台を全く観ていなかったことが悔やまれます。これからは心がけて出演作を観て行きたい。いや実は今週はもう1本これはどうしようっていう舞台を観てしまったんですよ。「磁界」という、実際に起きた警察の不祥事(…と言っていいのかな…)を元に作られた芝居なんですが、息もつかせぬ展開、役者同士の技量のぶつかり合い、何もかもすべてが素晴らしい。中でも最近すこぶる贔屓にしている西尾友樹さんがもうホントにホントに素晴らしくて。この人はこれから末長く日本の演劇界でもっともっと大きく扱うべき人だと思う。セリフの明瞭さ、感情表現の巧みさ、もちろん声の良さと大きさ。この人についても私はほんの新参者で観ていない舞台が山ほどあることを悔いに悔いている。中村ノブアキさん作の戯曲もとても良くて、この作家さんも今後作品を追いかけてみようかなと思いました。作家さんといえば積極的にその作品を観続けている詩森ろばさんが今回は海外戯曲を演出した「Bug」を観ました。これまた凄い1本で、登場人物がどんどん追い込まれていく姿を観ているうちに観始めた時点で自分が信じていたことがどんどん怪しく危うくなって行き、立ち位置がグラグラして怖くて怖くていてもたってもいられなくなって震えた。これまたすごい1本を見せてもらったなぁ。枚数合わせに銀座・維新號本店の海老と川海苔のチャーハンを。SBSラジオで日曜お昼に放送されている「日曜ヒマするアナタに送る ヌンヌンヌーン!」という番組を放送開始当初から聴いておりまして、毎回の放送開始のコーナー「ひるめし」を楽しみにしているのですが、12日の放送が東京支局からの放送ということで「局の近くのテイクアウトひるめしを推薦して」と言われていたので、日比谷あたりの観劇ついでに食べたことがあって思い当たったこれをお薦めしてみたところ、採用されたのでした。海苔の香りが素晴らしくてとってもおいしいんですよ。テイクアウトの1パックはほぼ2人前で量もたっぷり。もちろんお店で食べるできたては絶品。皆様もぜひ一度食べてみて!

 今週は重賞が4本も。土曜のダイヤモンドSは大流星と白いまつ毛がおシャレなシルブロンを応援。スタッドリー、ヴェローチェオロ、アスクワイルドモアまで。京都牝馬Sは不振が続くシゲルピンクルビーを応援しようかな。スカイグルーヴ、ルチェカリーナ、メイショウミモザあたりで来ればだいぶつくでしょう。日曜、フェブラリーSはレモンポップが一気にG1獲り、と行きましょう。ドライスタウトとの一騎打ちと仮定して、面白そうなスピーディキックや来るならこれかなのレッドルゼルなど絡めておく。小倉大賞典はザックリとロングラン、カテドラル、ヒンドゥタイムズぐらいで。

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