戯曲の骨格
東京芸術劇場で上演中の「カッコーの巣の上で」を観て来ました。この作品がマクマーフィ=鹿賀丈史、チーフ・ブロムデン=滝田栄、ビリー・ビビット=市村正親という豪華な顔ぶれで日本初演されたのを観て以来、私はこの作品のマニアを自称しておりまして、プロはもちろんアマチュア劇団による上演までとにかくこのタイトルを耳にすればできるだけ観劇して来ました。今回は小栗旬さんのマクマーフィを中心にフレッシュで芝居勘の良さそうなメンバーを集めての上演。どんなものになるか楽しみに劇場へ足を運びました。元々の戯曲の骨格がしっかりしているので書かれてある通りを演じればこの作品は間違いなく鮮やかに立ち上がります。過去には下手な工夫をしたために台無しになっていた上演もいくつか観ましたが、今回はごくスタンダードな衒いのない作品作りで私のイメージする「カッコー」の世界が広がっていました。ラチェッド婦長の神野三鈴さんがまさに私の考えるラチェッドを体現してくださり、安心して観ていられたのが一番のポイントかな。そしてビリーを演じた大東駿介さんが素晴らしい。以前「もっと泣いてよフラッパー」で観た彼とはまったくの別人で、驚きました。こういう役者さんは面白くて観る甲斐がありますね。
中京記念はフラガラッハをアタマにクラレント、マジェスティハーツと固めに流してついでにミッキードリームへちょっぴり。エルムSはソロルからアンコイルド、フリートストリートへ。