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2012.07.08

新演出

SaigonRudolf
  ミュージカル「ミス・サイゴン」と「ルドルフ ザ・ラスト・キス」を観て来ました。双方ともにこの度、演出をガラリと変えての上演です。演劇ではよく「演出を変えて」と簡単に言いますが、たいていの場合はちょっとした手直しぐらいのところ、今回の2作品は作品の印象そのものがまったく違ってしまうような根底からの大幅な改変。この大英断は良い意味でとてもショックを与えてくれました。
 特に「ミス・サイゴン」は見終わった後に疲労困憊してしばらく心身ともに立ち直れないほどでした。これまでの多少ショーアップされた演出を捨ててひたすらリアリティを追求しているため、華やかなミュージカルというイメージとはほど遠い戦争ドキュメンタリーのような仕上がり。とにかく冒頭から戦時下のせっぱ詰まった追い詰められた感じがものすごく、物語の中に生きる人たちの焦燥が観る側の心まで追い立てて、観ている間ずっと背中が薄ら寒いような不安感と恐怖に駆られていました。怖い。こんなのを長い期間演じつつける出演者のメンタルケアまで心配してしまうほど。曲も同じ、歌詞もほとんど変わっていないのに演出を変えるとこんなふうになるんだな、と驚きました。ミュージカルに夢を求める人にはいささか重過ぎるかもしれない。でも私はいたく感心しました。
 「ルドルフ〜」は演出を変えたというよりはもうホントに全く別の作品になっていましたが、今回のバージョンの方が私は好きです。ルドルフが恋をしたことも、強権的な父親と闘って政治に深く関わろうと試みたことも、今回の方が説得力がありました。
 七夕賞はトーセンラー、タッチミーノット、紅一点織姫のアニメイトバイオも買っておきましょうかね。プロキオンSは何がなんでもシャア。人気なくても見込みなさそうでもシャア。がんばれ馬券、買いに行っちゃうぞ。

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