立ち位置を変えると
帝国劇場にてミュージカル「エリザベート」開幕。今回も少々通うことになります。
初演以来何度も観た演目ですが、私はどうもこの話の主人公のエリザベートが心身の自由を求めてさまよい続ける姿に感情移入ができないのです。私自身は性格的にどちらかというと個人の魂の自由よりも社会的責務の方により忠実にありたいと考えてしまうようなところがあるので。で、この舞台を観るにあたっては、恋愛にも似た美しい死の誘惑に惹き込まれる主人公に心を寄せて共感しないとダメなのかなぁと思っていて、それがもうひとつこの物語にのめり込めない原因だったんですが、ある時この物語が実はエリザベートのわがまま(敢えてそう言い切りましょう)のせいで人生を狂わされて混乱のうちに死んで行った人々の亡霊が毎夜毎夜地獄でくり広げている再現劇なのだということを思い返し、だったらそちらの側から話を観てみたらどうだろうと、自分の立ち位置と視線の方向を変えてみたんです。そしたら俄然、この舞台が面白くなった。違う景色が見えて来た。劇作家や演出家の意図するところとは違うのかもしれないけれど、舞台に上げてしまった作品がどう読み解かれるかは観客の自由です。そこで私が選んだ立ち位置にいるのがハンガリーの革命家たち。オーストリア・ハンガリー二重帝国の欺瞞に憤り、独立を求めて闘う男たちです。彼らの登場するシーンはどれもダイナミックに話が展開し、心が弾みます。しょせんあたしゃードレスだお城だ愛だ恋だ退廃だお耽美だみたいなもんにはときめかない人間なのさ(笑)。
ヴィクトリアMの予想は公式にて。土曜の京王杯スプリングCは応援したいなと思う馬たちの近走がどれもいささかナニな感じで…寄らば大樹の1番人気、サンカルロから彼らに流して高倍率を狙ってみよう。タマモナイスプレイ、グランプリボス、ジョーカプチーノ。
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