にわかCinemania
引き続き鋭意、映画館通いであります。「カイジ」のスピード感と「クヒオ大佐」の脱力感、それぞれに楽しく観ました。藤原竜也、堺雅人の両人はやっぱり面白い俳優ですね。なんともいえない魅力がある。続いて大作「沈まぬ太陽」は日本人なら誰でも観るべき映画。しかしこういう映画を観ると自分がいかに平易な人生を生きて辛酸を舐めずにここまで来たかということを思い知らされて、情けない気分になりますね…フィクションとはいえ事実を下敷きにした物語、個人vs巨悪という構図は観ているだけでこちらまで無力感に苛まれて少々つらいものがありました。それでも名優・渡辺謙の力量で3時間超の長尺を力強く引っぱられた感じです。そして「THIS IS IT」。マイケル・ジャクソンの最後(になるはずだった)のコンサートのリハーサル映像を映画として公開したものです。私はジャクソン5リアルタイム世代ですから、やっぱりごくごくライトにマイケルが好きなんですね。で、これを観て思ったのは、世の中には何十年か何百年かに1人、他の誰も届かないような領域へ行ってしまう人間が出るものなのだなぁ、と。自分がやりたいこと、理想とするもの、表現したい世界のイメージが完璧に彼の頭の中にはあって、それを着々と作り上げて行く姿は凄まじい。歌も踊りも、音楽そのものと言えるくらい音にシンクロしている。舞台上での一挙一動が観客が欲しがるであろうものを超えている。リハーサルですから歌も踊りもたぶん出力40%ぐらいでやってるのでしょう。でも、だからこそその底力がわかりやすい。ちょっと歌って踊ったそのピッチやリズムやグルーヴのキメどころの完璧さは恐ろしいほどでした。周囲のスタッフもミュージシャンもダンサーもみんな超一流なのだろうけど、たぶん彼らにはいくらでも代わりがいるでしょう。でもマイケルには代わりがいない。誰もマイケル・ジャクソンにはなれない。そういう人間が存在した奇跡を、私はなんだか背筋がゾッとするほど怖いと思いました。人知の及ばぬものを観てしまったという怖れでしょうか。およそエンターテインメントに携わる人、志す人、そしてなんらかの興味のある人はこの記録映像を観ておかなければいかんと思います。
天皇賞の予想は公式にて。スワンSはフィフスペトル、マルカフェニックス、ドラゴンウェルズあたりでサクッと。そしてせっかく掲示板を守ってたのに前走で15着と大敗したタマモホットプレイの今回はいかに?