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2007.06.24

芝居を2本

ChochosanTakarazukaboys
 2日続けて芝居を観て来ました。
 1本めは島田歌穂さん主演の「蝶々さん」。プッチーニの有名な歌劇「マダム・バタフライ」によって異国趣味に塗り固められ偏見にさらされた蝶々さんの人生を日本人の目できちんと見直そうという試みの作品です。歌穂さん始め出演者はいずれも好演&熱演、実力者揃いの見応えある歌と芝居でしたが、作品的にはやや…元が朗読劇だったものをミュージカルにしたためか、蝶々さんの身に起こるほとんど全てのことが芝居のやりとりではなく台詞で説明されて進行して行くという構成は演劇としてはもうひとつかな、と思ってしまいました。これから長く上演を続けて行きたい作品だそうですので、より練り上げられて行くことを期待します。
 2本めは「宝塚BOYS」。宝塚歌劇団に戦後、男子部が作られたという史実を元に彼らの結成から解散までを描いた群像劇です。これがものすごく面白くて、今年これまでに観劇した作品の中でベスト3には確実に入りそう。戦争に絡んだ胸の痛むエピソードがいっぱいで結末もとても切ない話なんですが、それなのに笑いありドタバタあり号泣もののシーンありと緩急がうまく、これは脚本がいいんだなと思って観てたら以前加藤健一さんのところで観て面白かった「エキスポ」の作者さんの作でした。それぞれに個性的な青年達が集まってバカやってぶつかりあって信頼し合って反発し合って、最後は家族みたいになって、でも夢はかなわず離れて行く…男子部のみんなが愛しくて、華やかなショーの場面でさえも涙が止まりませんでした。こういう作品に出会うと「芝居好きで幸せ」と思えます。
 さて、宝塚記念。豪華メンバーで楽しみです。家で仕事しながらTV観戦です。

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2007.06.17

昔、わたしはここに来た

Moscow
 「レ・ミゼラブル」20周年記念SP公演に通う間隙をついて加藤健一事務所の「モスクワからの退却」を観て来ました。昼に鹿賀丈史さん、夜には加藤健一さんに久野綾希子さんと、好きな役者さんを続けて観る贅沢。
 今回はカトケンさんが「シリアスな芝居で、こういうものをお客様にどう楽しんでいただくか考えている」というようなことをおっしゃっていたのでどんなに難しい息苦しい芝居なのかと覚悟して行ったのですが、胸の詰まるような厳しいやりとりの中にも自然な笑いが盛り込まれた良い出来でした。ギャンギャンと要求ばかりするキツイ妻の役を久野さんが持ち前のかわいらしい雰囲気で和らげ、人の気持ちに歩み寄ろうという努力の足りない夫の役を加藤さんが奥行きを感じさせるゆったりとした持ち味で和らげ…そのへんが観てる客に拒否反応を起こさせることなく楽しませる芝居としてうまくまとまった勝因でしょう。30年連れそった夫婦が結婚生活にピリオドを打つ話で、妻の感情も夫の言い分も理解できるなぁという感じ。やはり人と人とは、特に夫婦や恋人や家族は言いたいことをきちんと伝え合って理解し合って生きて行かなくちゃなぁと思いました…なんかこう、人としてしみじみと考えさせられる話。夫婦とその息子の3人しか出てこない小さな世界の話ですが、誰の身にも起こり得る大きな話でもあるのです。

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2007.06.16

20年の重さ

Les_mis20th20thmemorialday
 帝国劇場にて「レ・ミゼラブル」が始まっています。最初の1週間、鹿賀丈史さんがジャベールで出演の20周年スペシャルキャスト公演を観て来ました。そう…このミュージカルの日本での初演から実に20年の歳月が流れ去ったのです。私は20年前の初演、さらにその半年前のプレイベントからずっとこの作品とともに人生を歩み、年齢を重ねて来ました。6月11日はちょうど20年前にこの作品が開幕した日。同じこの場所にこうして今も自分がこのミュージカルを愛して、舞台を見つめていられることを幸せに思い、また不思議にも思います。このミュージカルとの出逢いで人生が変わったという人がたくさんいます。私にも色々な出逢いがありました。20年の間の記憶は私の心に煌めく大きな財産です。
 マーメイドS、フレンチデピュティ旋風がライラプスを吹き上げてくれないかなぁ。単・複1点握りしめて見守ることにします。
 

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2007.06.07

古典(的)名作2本

DamnyanYonoyume
 舞台を2本観て来ました。1本めは「くたばれ!ヤンキース」。歌と踊りがいっぱいの古き良きミュージカル、とりわけ大柄な男優さんが大勢でドカドカ踊るにぎやかなダンスシークエンスの大好きな私は「Sholess Joe」や「Heart」「The Game」といったナンバーのセネターズナインの躍動感にウキャウキャ。監督役の光枝明彦さんは昔から大好きな俳優さん、暖かくユーモアに溢れてステキでした。本格的ミュージカルには初挑戦の矢口真里ちゃん、よく通る声でセリフが届き、踊りもキビキビこなしていて好感。宝塚退団後初舞台の湖月わたるさんは踊り映えする長い手足を武器に魅力的な主演ぶり。他の出演者もすべてが好演で、とっても楽しかったです。また観たいなぁ、同じメンバーで再演してくれないかな。
 もう1本は「夏の夜の夢」。「レ・ミゼラブル」のジョン・ケアードが演出ということで興味を持って観てみました。比較的オーソドックスな演出だったんじゃないかな…いやぁ、それにしてもシェイクスピアの喜劇ってなんつーか、どうかしてるね(笑)。どうだっこんなコトになったら面白いだろっとウケ狙いで書いてるとしか思えません。素人芝居の一座の主演俳優の頭がロバになってしまうという珍妙な展開があり、そのかぶりもののロバの頭がかわいくてかわいくてのけぞり笑いました。ロバと馬は近しいおトモダチ、なんだか造形に惹かれちゃう。
 ちょっと早くて出走予定段階ですが、エプソムCは穏当にデアリングハートでいっとこうかな。ダンスインザモア、ブライトトゥモローへ流しておきます。

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2007.06.05

おわび

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 皆様におわび申し上げつつ「馬なり1ハロン劇場」406Rの更新を後日に改めさせていただくことにします。公式サイトでは「事情により」という表現にとどまりましたが、せっかくこういう場があるのですからきちんと読者の皆様に自分から事情をお伝えしたいと思います。406Rはオークスに話題をとり、現在のG1呼称の在り方や外国馬導入の問題について描いてみたのですが、私の勉強不足と事実誤認、私自身の著者校正の不注意により、いくつかの誤記があることが入稿後にわかりました。後の単行本化のためにセリフの文字はネット上のフォントではなく写植を打ってもらっています。そのため、写植の直しと絵を含むある程度の内容の修正のために更新を差し止め、お時間をいただいて間違いを直した形で改めてお読みいただくことにした次第です。「過ちを改むるに憚ることなかれ」です。なにとぞご理解の上、しばしお待ちくださいますようお願いします。
 画像は書店に掲示される予定の「馬なり〜2007春」のポスターと、ダービー当日にスポーツ紙に掲載された広告です。双葉社さんがとても力を入れてくださっており、嬉しく思っています。これからも努力を忘れず、楽しい競馬マンガを描いて行きたいと思いを新たにしていますので、どうぞご声援よろしくお願いします。リニューアル記念プレゼントも応募してくださいね!

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