芝居を2本
2日続けて芝居を観て来ました。
1本めは島田歌穂さん主演の「蝶々さん」。プッチーニの有名な歌劇「マダム・バタフライ」によって異国趣味に塗り固められ偏見にさらされた蝶々さんの人生を日本人の目できちんと見直そうという試みの作品です。歌穂さん始め出演者はいずれも好演&熱演、実力者揃いの見応えある歌と芝居でしたが、作品的にはやや…元が朗読劇だったものをミュージカルにしたためか、蝶々さんの身に起こるほとんど全てのことが芝居のやりとりではなく台詞で説明されて進行して行くという構成は演劇としてはもうひとつかな、と思ってしまいました。これから長く上演を続けて行きたい作品だそうですので、より練り上げられて行くことを期待します。
2本めは「宝塚BOYS」。宝塚歌劇団に戦後、男子部が作られたという史実を元に彼らの結成から解散までを描いた群像劇です。これがものすごく面白くて、今年これまでに観劇した作品の中でベスト3には確実に入りそう。戦争に絡んだ胸の痛むエピソードがいっぱいで結末もとても切ない話なんですが、それなのに笑いありドタバタあり号泣もののシーンありと緩急がうまく、これは脚本がいいんだなと思って観てたら以前加藤健一さんのところで観て面白かった「エキスポ」の作者さんの作でした。それぞれに個性的な青年達が集まってバカやってぶつかりあって信頼し合って反発し合って、最後は家族みたいになって、でも夢はかなわず離れて行く…男子部のみんなが愛しくて、華やかなショーの場面でさえも涙が止まりませんでした。こういう作品に出会うと「芝居好きで幸せ」と思えます。
さて、宝塚記念。豪華メンバーで楽しみです。家で仕事しながらTV観戦です。