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2007.02.26

新しい壁

Hedwig
 山本耕史さん主演の「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」を観て来ました。評判の良かった初演(三上博史さん主演)は見損ねていて、今回は好きな役者の1人である耕ちゃん(馴れ馴れしいな…いや、子役の頃から観てるんでどうも…)がヘドウィグをやることになったので楽しみにしてたんですが、これは…ちょっと私には合わなかったみたいです。主人公が激しく歌いまくるロックのライブの中で彼女(性転換者なのです)の人生が語られるという形の舞台で、どうも私は参加型ミュージカルってのが苦手なんですよ、手拍子とか掛け声とかスタンディングとか。トシのせいではなく(笑)性格的にね。舞台を観る時はただひたすら、客席で舞台の上から訴えかけられて来る物をじっと受け止めたい、参加なんておこがましいわ、というのが私の演劇鑑賞の態度なので。競馬の観戦態度も同じだな。で、私だけではなく会場も多分ほとんどが似たような“芝居を観に来た”演劇ファンだったように思われ(一段高いバルコニー的な席から観たので客席が見渡せたのです)、ハードなライブに乗り切れずどうしたもんだか戸惑っている感じがありあり。こういう演目はなかなか、日本では難しいな。耕ちゃんはとても深い重い伝わる芝居をしてたし、そのメッセージの内容は理解して受け止めたつもりなんだけど…ヘドウィグが叫ぶ「壁を引き倒してみろ!」が、私にはできなかった。今後、自分の中にあるそういう壁を突き破るべきかそのままに守るべきか、ちょっと自分に問うてみましょうか。あ、そうそう、主人公が言う“壁”というのは狭義ではベルリンの壁のことで、彼女は東ドイツ出身なのです。なんだかドイツから縁が切れないなぁ。パンフの後ろの方にドイツの分裂から統一に至るまでの年表が載ってて、ラッキー☆

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2007.02.25

Do you believe in happy ending?

Bklyn_1
 ミュージカル「ブルックリン」を観て来ました。いやぁ〜なんつーか、歌が上手いってのは素晴らしいことですね。今回の出演者はとにかくみんなとんでもなく歌が上手く、聴いていてそれだけで圧倒されます。ただ主役さんはいささか不利だったかなぁ。舞台は初出演でも歌は守備範囲のはずなのに、なにしろ他のメンバーがミュージカルの世界では百戦錬磨の強者揃いで経験値が高過ぎるもので…まぁこの作品の楽曲はちょっとやそっとで歌いこなせるものではないかもしれない。しかし、だとするとその意味でも今回のマルシアは凄まじかったなぁ。強烈な歌唱力はますます磨きがかかり、棘のある役がとても似合っていました。もしマルシアを「マルシアって“あの”マルシア(変な日本語で毒舌キャラのバラエティ系?)でしょ?」と多少なりとも偏見を持ってる人がいるなら“この”マルシアを観てほしい。のけぞりますよ。とにかく、いい舞台でした。立ち上がって一緒に暴れたくなっちゃった。指笛が吹けたらピューピューやってたと思う。

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2007.02.23

其を讃えて歌う

Hibari
 蜷川幸雄演出「ひばり」を観て来ました。この作品は劇団四季創立25周年記念公演で観たことがあります…ということはざっと29年前??……年とるはずだ(大泣)…あの時はウォーリック伯爵が鹿賀丈史さん、ラ・イールが滝田栄さんだったんだよ……(遠い目)。今回の舞台では気の遠くなるような膨大な量のセリフを自在に操り、縦横無尽に少女ジャンヌ・ダルクを演じる松たか子さんの演劇的能力の高さにひたすら圧倒されました。観客に芝居を届かせる能力が卓越しています。
 中山記念はローエングリンとエアシェイディを裏表。懲りない&あきらめない! 阪急杯はシンボリグランとキンシャサノキセキで。日曜の中山でジャンバルジャンがデビュー予定だったのですが、除外されてしまったようです…でもきっともうすぐですよね。楽しみ〜。

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2007.02.18

ゲッゲェロ〜♪

Yoshizaki
 「善き人の〜」を観に行った渋谷でたまたま壁面広告が目に入り、ケロロ軍曹でおなじみ吉崎観音先生の展覧会を観て来ました。立体になったケロロ小隊メンバーたち、かわいいなぁ。3次元にしてもかわいいキャラクター造形って素晴らしいですよね。展示の中ではやはり職業柄、先生のアートワークス関連に興味が惹かれたわけですが、マンガ家としてけっこうキッツイかもなぁと思ったのはデビュー作の原稿(複製かな?)が展示されていたこと。実は「馬なり〜」の第1巻が最近になって久々に重版がかかりまして、喜びつつも昔の自分の絵を見て泣き濡れたばかりでして…うーん、もちろんその時には自分の描けるせいいっぱいの絵を描いてるつもりなんですが……いやいや、吉崎先生と自分を並べて考えてはイカンかった。その証拠に先生のネーム、きっちり絵が入ってることといったら、感心しちゃいました。
 入場者プレゼントのステッカー、ドロロ兵長が欲しかったのにクルル曹長が当たった…くすん。

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2007.02.17

ベルリンの壁の向こう

Sonata
 映画「善き人のためのソナタ」を観て来ました。舞台「デモクラシー」を観て以来興味を持った東ドイツについてのお勉強は続行中です。シュタージ(国家保安省=社会主義国につきものの秘密警察です)の局員が芸術家のカップルの私生活を盗聴・監視していくうちに自由な思想、美しい芸術、愛し合う人と人の姿に心を打たれ、やがて彼らの反社会運動を隠蔽し密かに護る行動に出てしまうという話です。静かに淡々と進む話の中で「人の心は何によって動くのか」ということを考えさせてくれます。強制による国家への忠誠や権力者の圧力では人の行動は縛れても心は動かせない。愛や音楽や文学によって心を開かれていく主人公の静かなまなざしが印象的でした。こっそり芸術家の部屋からブレヒトの詩集を持ち出して自室で読みふけるシーンや、特にラストにかけてのシーンがとても良かったです…普段はバカ映画ばかり観ている私、たまにはこういうのも観なくちゃな。
 フェブラリーSの予想は公式にて。クイーンC…正直に申し上げて地味めなメンバーですねぇ…ルドルフの孫娘・ジョウノガーベラを応援しつつ馬券的には見送ることにします。京都記念はアドマイヤムーンを本命に、相手は前走負け過ぎでもスウィフトカレント。バラ一族・ローゼンクロイツを3着に。

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2007.02.11

こんな夢を見た

Yumejyuya
 映画「ユメ十夜」を観て来ました。夏目漱石の肖像が入った旧千円札を持って行くと1000円で観られるという企画があり、たまたま旧札を持っていたので恩恵に預かることができました。こういうの楽しいですね。映画の内容は…正直言ってオムニバス10本のうちのほとんどがワケわかんなかった(笑)。実験的な映像、個々の監督さんの表現したいことや遊び心などは興味深く観ることができたんですけど…やっぱり私なんかは頭がカタイのか、どうしても物語の整合性を求めてしまうんですね…感覚で受け止める映像作品というものに浸れないのです。まぁ漱石の書いた「夢十夜」がもともとワケわかんないものだし、そもそも夢なんてワケわかんない展開をするものだからそれでいいんだと思うことにしました。画像は劇場にディスプレイされていた第十夜のイメージモデルです。
 ダイヤモンドSはアドマイヤフジからドリームパートナーへ。きさらぎ賞はオーシャンエイプスが本物かどうかを見るだけにしておきます。

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2007.02.09

Ship of Dreams

Titanic
 「タイタニック the Musical」を観ました。チケットを手に入場する時、なんだか不安な気持ちに…そう、誰もがこの船が沈むことを知っています。劇場に入る=乗船する気分になっていて、それでビビッたらしい(笑)。あの有名な海難事故をなるべく史実に忠実に舞台化したもので、辛く悲しい物語の流れを美しい楽曲が力強く支えた佳品でした。好きな役者さんがたくさん出ていたので短い日程の間に続けて数回観たのですが、正解でした。この作品はタイタニック号の運命をではなく、乗客や乗員1人ずつそれぞれの物語とその生命の行方を細かく見つめて行くという観方が正しいようです。自分の作った船の弱さを悔いながら船と運命を共にした設計士、社会的に高い地位にありながら年寄りは後だと叫んでとうとう最後まで救命ボートに乗らなかった高潔な老夫婦、ささやかな夢とともにアメリカへ渡ろうとしながら未来を断ち切られる3等船客たち、最後の最後まで乗客のために気高く働き続けた航海士や客室係、通信士、楽団、ボイラーマン…今これを書きながら思い出しただけで涙が出ます。久々に再演を強く願う演目に出会いました。

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2007.02.01

老舗の迫力

Nannkai
 ひさびさに神田神保町の古書店街へ行って来ました。お昼は老舗の洋食店・キッチン南海で。昔からそこにお店があるのはよく知っており、多くの人に愛される名店であることも知っていましたが、入ったのは初めてです。いやぁ、もう午後の3時頃だったのに満席で店内の活気といったらすごかった…そして料理のボリュームもすごかった。「ご飯少なめで」って言ってよかった(笑)。カラッと揚がった海老フライはシッポまで美味しく、豚ショウガ焼きもたっぷり。満腹でその日の晩ご飯は食べられませんでした〜。
 週末は家を空けるので、とりあえず…ニュービギニンクとフサイチホウオーが早くも激突する共同通信杯、気持ちはニュービギニング寄りです。公営から参戦のフリオーソも面白そうですね。

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